システム開発に関わる人全てに読んで欲しい「達人プログラマー」

 同じ邦題でアスキーのものとピアソンのものがあり紛らわしいですが、読んだのは黒い表紙が漢らしいピアソンのものです。

 読了して即座に、身の回りにいる全ての人に読んで欲しいと感じました。情報の2重化への対策、バージョン管理、メタプログラミングリファクタリング、テスト、などなど、現場では嫌なぐらい非効率かつ低品質に行われている作業についてフォーカスしています。

 現場での一番の問題は日常的に行われている非効率な作業を、プロジェクト参加メンバーが品質を高める行為だと思っているという事実です。根拠は「今までこれで上手くやってきた」といったところなのですが、デグレしっぱなしのドキュメント、自動化されないまま繰り返される再帰テスト(どんだけ工数食うんですか)、修正したモジュールがちゃんとリリースされていない腐敗した開発環境など、考えるだけで気が遠くなるんでござんす。

 もちろん新米の私ですから、今のやり方の良い点を理解せずに、外部からの情報を是だと思っているだけかも知れないです。なのでこの本を叩き台に、もっと開発手法についてみんなと話し合えたらなぁ、と思っているのですが、実際にこの本を布教すると物凄くウザがられそうなので行動にはなかなか移せない……。アジャイル・プラクティスよりはすんなり読んでもらえそうな本だとは思うのですけどねえ。

達人プログラマー―システム開発の職人から名匠への道

達人プログラマー―システム開発の職人から名匠への道

  • 作者: アンドリューハント,デビッドトーマス,Andrew Hunt,David Thomas,村上雅章
  • 出版社/メーカー: ピアソンエデュケーション
  • 発売日: 2000/11
  • メディア: 単行本
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