なんだこのエロゲ - 「白いネコは何をくれた?」を読了

一身上の都合でマーケティング理論を勉強することになりました。大学では経営工学をやっていたので一般的なマーケティング理論は大体名前だけなら知っているのですが、その戦略的な組み立てとなると「うーむ」という感じです。

そんな訳で本格的にいろんな本を読みあさる前に、一冊軽く小説仕立てのものを読みたいなぁ、と思い手に取ったのがこの本です。

白いネコは何をくれた?

白いネコは何をくれた?

著者の佐藤義典氏の提唱する戦略BASiCS理論によって、ダメな主人公がモリモリかわって最終的には超大手競合会社を打ち負かし恋人(?)までゲットする、まるで「こんな私も戦略BASiCSで(ry」みたいな物語です。読んでて何だこのエロゲ、と30回ぐらい思いました。

戦略BASiCS理論自体はとっても使いやすい理論です。この本でも理論自体は40ページ弱でコンパクトにまとめられており、ストーリーと反復しながら読み返すことで更に理解を深められる構成になっています。

戦略BASiCS理論
B: Battlefield => どこで誰と戦っているか?
A: Asset => 独自資源
S: Strength => 強み/差別化(独自資源をどのように展開して戦うか?)
(i: integration => 他5つを連動させる)
C: Customer => 顧客を絞る(強みが生きる顧客を選ぶ)
S: Selling message => どのように実行するか?

Selling messageはちょっと間違ってるかも知れませんが、大体上記のような形です。そのまま就活の自己分析にも使えそうな感じです。

どこにでもありそうな考え方ですが、この本で一番伝えたがっているのは「一貫性」です。カッコで括ったオマケのようなintegrationの部分です。一つ一つを正確に答えとしてはじき出しても、それぞれが連動していないと、全く使えないフレームワークになってしまいます。この連動がいかに大事かということは、この本でストーリーとして繰り返し何度も何度も出てくる部分です。一貫性で恋人もゲットです。

BASiCSの組み立て方も物語調で読むとすんなり理解できます。ビジネスを戦略的に考えたいけど、よく本に載ってるフレームワークとか使い方がよくわからないよー、みたいな、そういう悩みを持っている方にオススメ。